1. 成長期待のポイント
ロームは2027年通期予想で売上5100億円(+6%)を見込み、SiCの8インチ化・収益化、生成AIに伴うサーバー需要、及び生産拠点再編/価格改定で今後3年間は年率概ね4–6%の売上成長と営業利回り改善が期待される。
2. 成長ドライバー別の分析
SiC(パワー半導体)の収益化と生産拡大
- 自動車の電動化(xEV)を背景にSiCパワーデバイスの採用が拡大。高付加価値品で単価・利益率改善が見込まれる。
- 8インチ化(歩留まり向上)を推進し、量産コスト低減と供給拡大でシェア獲得を狙う。
- 中期計画でSiCの収益化を重点施策に位置づけ、構造改革と組合せて損益寄与を加速させる。
AIサーバー/コンピュータ&ストレージ向け製品の拡販
- 生成AI普及に伴うデータセンター投資増で、サーバー向け製品(パワー・デバイスや半導体レーザー等)の需要が急拡大。
- 会社はAIサーバー関連の中長期目標(2030年に300億円売上など)を掲げ、製品投入・顧客開拓を強化。
- サーバー市場の拡大はメモリ逼迫等で環境変化はあるが、上流の需要追い風を受けやすい位置にある。
生産拠点再編・コスト改定・構造改革
- 生産拠点再編、事業ポートフォリオの適正化、価格適正化で固定費抑制と利益率改善を図る計画。
- 減価償却方法変更や設備投資抑制で減価償却費が大幅低下(直近で年数十億円規模の減少効果計上)し、営業利益に寄与。
- 不採算事業の縮小・撤退および購買コスト改善(VA/VE)でマージン基盤を強化する。
3. 今後3年の業績成長イメージ
2027年度は会社計画で売上5100億円(+6%)、営業利益300億円へ回復見込み。今後3年間はSiCとサーバー向けの拡販がドライバーとなり、売上は年率約4–6%の中堅成長、営業利益率は構造改革とコスト削減で段階的に改善し、短期で5〜8%台、良好推移なら中期でさらに上振れの余地がある。
4.課題・リスク
- SiC需要の成長がBEV普及ペースや顧客採用タイミングに依存し、期待先行で採用が遅れるリスク。
- 8インチ移行や歩留まり改善の遅れ、品質保証費用の増加(既に一部期で発生)により利益改善が鈍る可能性。
- 半導体需給のサイクル性、メモリ需給や大口顧客の動向により需要変動が起きうる。加えて為替変動、競合(大手グローバル)の価格競争、減損リスクが残る。
5. 総括
ロームはSiCの収益化とAIサーバー向け需要取り込み、及び構造改革で今後3年は増収・利益改善が現実的。だがSiC採用タイミングや品質・コスト面の実行が成否を分けるため、進捗確認が投資判断のポイントとなる。