1. 成長期待のポイント
足元は2026年に構造改革費用・原燃料高騰で減速見込みだが、ディスプレイ高付加価値化、光エレクトロニクス需要拡大(マイクロキャピラリー×約4.5倍、ガラス偏光子×約8倍想定)と低誘電「D2ファイバ」立ち上げで、2026→2028年は回復〜成長が期待される。
2. 成長ドライバー別の分析
ディスプレイ事業の高付加価値化と用途拡大
- ディスプレイ用ガラスは堅調な需要が継続、全電気溶融への転換で長期的な生産性向上を目指す(短期は転換・定期修繕費増)。
- 超薄板ガラス(UTG等)をカバーガラス、折りたたみ端末、衛星ソーラーパネル、スピーカー振動板など新用途へ展開。
- 価格改定や大型基板(第10.5世代)対応で売上単価・シェア拡大余地あり。
電子デバイス/光エレクトロニクスの拡大
- データセンター拡大や高速通信の追い風で、マイクロキャピラリー需要は中期で約4.5倍、ガラス偏光子は約8倍等の大幅増を見込む市場動向。
- プローブカード基板や半導体用サポートガラス、無機コア基板(GCコア)など半導体向け製品群の拡販で付加価値向上。
- 光トランシーバ/モジュール向けの高精度ガラス部材群が収益源の多様化を支える。
複合材の収益化(D2ファイバ等)と構造改革
- 低誘電ガラスファイバ「D2ファイバ」の量産立ち上げ(第1世代:2026年4Q開始、第2世代:2027年1Q開始、能力増強検討は2027年末)が成長の要。
- 米国複合材拠点の構造改革(工場停止・譲渡)で短期に特別損失発生も、中長期で収益性改善を目指す。
- 26年度の設備投資は約450億円見込みで成長分野へ資源配分を継続。
3. 今後3年の業績成長イメージ
2026年は売上・営業利益ともに前年割れ(ガイダンスで売上約3,000億、営業利益約200億)を見込むが、2027〜2028年にかけて戦略投資(D2ファイバ立上げ、光部材拡販、ディスプレイの高付加価値化)と構造改革効果で回復。EGP2028目標(売上4,000億、営業利益500億、営業利益率約12.5%)達成へ向け、年平均で概ね中〜高シングル(ケースによっては二桁)%の売上成長と利益率改善が期待されるシナリオが現実的。
4. 課題・リスク
- 複合材(特に北米)の構造改革費用や生産停止による短期業績悪化とキャッシュ負担。
- 原燃料価格上昇・物流費高止まり、及び為替変動がコストと営業外損益に影響。
- D2ファイバや光部材の量産立ち上げでの歩留まり・市場採用遅延、競合優位性確保の不確実性。
- ディスプレイ・半導体市場のサイクル性(パネルメーカーや半導体設備投資の変動)に伴う需要変動。
5. 総括
短期は構造改革費用とコスト上昇で2026年に業績調整局面だが、ディスプレイの高付加価値化、光エレクトロニクス部材の需要拡大、D2ファイバ量産化が順調に進めば、2027〜2028年にかけて回復し中期で高収益化が期待される。投資家は製品立ち上げの進捗と複合材の構造改革費用・コスト推移を注視すべきである。