1. 成長期待のポイント
LEAPエンジン需要の高止まり(A320neo/737MAX合計受注残12,873機=約12年分)と、2026年7月から開始する新材料の段階供給→2028年1月フル量産・シェア拡大(40%→40%台後半)により、2027〜2029年は売上・利益の急拡大が期待される。
2. 成長ドライバー別の分析
LEAP搭載機の強い受注残と増産トレンド
- A320neoファミリー受注残7,469機、737MAX受注残5,404機、合計12,873機(資料)で長期需要を確保。
- CFM(LEAP)納入基数は直近7月〜6月で前年同期比+43%、2026年通年で+20%超見込みと急回復。
- 機体生産増(Boeingの生産上限引上げ等)がエンジン生産・ブレード需要を直接牽引。
新材料の垂直統合(材料+加工)とシェア拡大
- SAFRANと新材料供給・シェア拡大契約を締結。26年7月に一部供給開始、28年1月にフル量産へ移行。
- 新材料は加工のみよりも利幅が大きく、材料販売開始により収益構造が上方シフト(27/6期から徐々に反映、28/1〜本格化)。
- ラボ棟(SAFRAN認証取得の国内初ラボ)や鋳造工場等への投資(総額数十億円)で量産体制を構築中。
新規量産案件とM&Aによる領域拡大
- 航空機エンジンB案件は量産開始、A案件は認証/テストで開始が約1年遅延(28/6期寄与想定)。
- 体部品加工のオノプラントを完全子会社化(2026年6月取得、のれん計上)し、機体・防衛分野や多品種少量製造領域へ展開。
- 新規案件とオノプラント連結で顧客基盤を拡大し売上の多角化を図る。
3. 今後3年の業績成長イメージ
会社予想は2027年6月期売上7,950百万円(+56.4%)、営業利益1,550百万円(+35.3%)。2028年(28/6期)は新材料フル量産・市場シェア拡大、本格稼働で更に大幅増(想定レンジ+25〜35%)。2029年は量産定常化と新規案件拡大で増速は鈍化しつつも堅調(+10〜20%)。仮に26→29年で段階的に成長すると、3年平均CAGRは概ね20〜35%のレンジと想定される(前提:材料歩留向上・供給遅延なし、為替安定)。
4. 課題・リスク
- 材料供給元依存の解消は進むが、量産立上げで歩留・歩留改善が想定通り進まなければ費用先行で採算悪化。
- 新規案件(エンジンAなど)の量産遅延や追加テストによる収益化遅延リスク。
- 収益の米ドル建て依存度が高く、ドル仕入が少ないため為替影響が大きい(為替感応度:1円/ドル ≒ 売上・利益で40〜50百万円)。
- SAFRANとの契約条項・競合動向、品質問題発生時の出荷停止は業績に直結する構造的リスク。
- 大規模投資による借入増加で金利負担上昇や期待通りの投資回収が得られないリスク。
5. 総括
短期(2027年)は受注回復と新材料受託収益で大幅増益が確度高い。中期(2028〜29年)は新材料のフル量産化とシェア拡大、オノプラント連携で高い成長が期待されるが、量産立上げの歩留改善・為替変動・品質・顧客依存のリスク管理が投資判断の鍵となる。