1. 成長期待のポイント
今村証券は投信(受益証券)販売拡大によるストック収益拡大、預り資産(AUM)急増と地域密着+デジタル施策で手数料収入拡大が期待され、3年は増収軸で推移し得る。
2. 成長ドライバー別の分析
投信(受益証券)販売と預り資産拡大
- 受入手数料のうち受益証券比率拡大を重点施策とし、受益証券による経費カバー率を2029年に36%以上へ引上げ目標を掲げる。
- 預り資産は2026/3期末で4,329億円、2027年第1四半期で4,777億円と急増(前年同期比で大幅増)。AUM増は募集手数料・信託報酬というストック収益増に直結。
- 新たなお客様獲得目標は5年で15,000口座(単年度3,000口座)で、口座増は中長期の手数料基盤強化に寄与。
地域密着の対面営業とデジタル化の両輪
- 北陸3県に11店舗の対面チャネルを持ち、地元顧客との関係性を活かした投信・債券・個別株提案が強み。
- スマホアプリ「今村証券iPortal」開始や店舗リニューアルで顧客接点をデジタル+リアルで強化し、顧客ロイヤルティ向上と取引頻度増を狙う。
- 家族サポート口座やパスキー導入など高齢顧客向け・セキュリティ強化で既存顧客の維持・拡大を図る。
市場環境と手数料感応性
- 国内株式市場の堅調は委託手数料や取引高を押し上げる(2026/3期は受入手数料が前年+30.1%)。
- ただし業績は市場変動に敏感で、相場上昇局面では短期的に手数料・トレーディング収益が拡大する一方、相場反落で逆行する。
- 自社目標はストック化(投信)で市況依存度を下げるが、短期業績変動は依然大きい。
3. 今後3年の業績成長イメージ
短期的には相場動向で業績振幅があるが、AUM拡大と投信収益比率向上が進めば受入手数料と純営業収益の底上げが期待される。直近Q1の受入手数料は前年同期比+81.8%と大幅増だが、これは相場や販促効果の影響が大きい。実行計画(口座獲得・投信販売)通りに進めば、3年で手数料・ストック収益中心に年平均で概ね中位〜高位シナリオで年率5〜15%程度の増収が見込めるが、最良シナリオでは二桁成長も可能。
4. 課題・リスク
- 市況依存リスク:株価下落や相場の停滞は委託手数料とトレーディング収益を直撃し、短期業績を大きく悪化させる。
- 投信販売の定着遅延:販売は好調だが信託報酬ベースのストック化には時間がかかる。受益証券による経費カバー率目標達成が遅れると想定より収益基盤の安定化が進まない。
- 地域集中リスクと競争:北陸地域中心の対面戦略は強みだが、ネット系大手や他地域プレーヤーとの競争で新規獲得・手数料単価が圧迫される可能性。
- 人材・システム投資負担:デジタル化や顧客サポート強化の投資が短期的に費用先行となるリスク。
5. 総括
今村証券は預り資産拡大と投信ストック収益化を中核に、3年で増収基調へ転換する可能性が高い。ただし市場変動と投信定着のスピードが成否を左右するため、投資判断は短期の市況依存性と中長期のAUM成長実績を注視する必要がある。