1. 成長期待のポイント
コミックECの自社チャネル強化とイベントの海外拡大により粗利改善が進行。暗号資産(ETH)トレジャリーで運用収益を上積みできれば、3年で売上横ばい〜やや増、収益性改善が実現可能。
2. 成長ドライバー別の分析
自社EC(本店)比率拡大による粗利改善
- 本店(自社EC)売上は前年同期比+59.8%(1Qで約94.3百万円)と高採算チャネルが回復。
- ECモール依存を下げることでオンラインショップ運営費や販促コストを削減し、売上総利益率向上に寄与。
- 在庫・セット化に特化した倉庫運用と豊富な品揃え(全巻セット多数)が競争優位を支える。
イベント事業の国内回復と海外展開
- イベント売上の海外比率が上昇(Q1海外約29.1百万円、前年同期比約+149%)し収益多角化が進展。
- アジア(台湾、タイ、マレーシア等)でのBLコンテンツ需要が強く、海外イベントのスケーラビリティが高い。
- 店舗構成の見直し(不採算店閉鎖)で固定費を抑制しつつ、巡回・MD連携でマージン改善を狙う。
ETHトレジャリー(暗号資産)によるインカムゲイン
- 保有ETHは約2,773.32 ETH(取得総額約1,178,830千円)で、ステーキング・レンディング・オプション等で運用利回り向上を目指す。
- 目標は保有量拡大(掲げる目標6,000ETH)と運用利回り向上(想定レンジ5–10%)による収益化。
- 一方で時価評価損が業績を大きく揺らすため、バランスシートと資産運用の透明性が重要。
3. 今後3年の業績成長イメージ
短期は2027年通期計画で売上約2,910百万円・営業利益ゼロを見込む(保守策)。中期(3年)では自社EC比率と海外イベント拡大で売上成長+粗利改善を想定。加えてETH運用のインカムが安定化すれば営業利益率は改善するが、暗号資産の時価変動による純利益のブレは継続。
4. 課題・リスク
- 出版市場は紙コミックス中心に縮小傾向で、ヒット作品依存のリスクが残る。大ヒット不在で購買単価・流通需給に影響。
- 暗号資産は時価評価損益が大きく、短中期のPL・BSにボラティリティを与える(既に大幅評価損計上実績あり)。
- 海外イベントの運営リスク(現地パートナー、規制、為替、物流)と出店最適化の実行力が成否を分ける。
- ETH取得目標や運用利回りの未達、及びステーキング/DeFi運用のカウンターパーティ/セキュリティリスク。
5. 総括
自社ECの高採算化と海外イベントで収益基盤の底上げが期待できる一方、暗号資産の評価変動が業績に大きく影響するハイブリッド型。投資視点では「収益性改善の継続」と「ETH運用リスク管理」の両方を注視する必要あり。