1. 成長期待のポイント
レゾナックはAI・先端半導体向けの後工程材料需要とHDD向けHDメディア投資で半導体・電子材料が急拡大。2026年通期(継続事業)予想売上11,650億、コア営業利益1,960億を踏み、今後3年は売上で年率約8–12%、利益はそれ以上の拡大が期待される。
2. 成長ドライバー別の分析
AI/先端半導体向け需要の拡大
- 2026年上期で半導体・電子材料セグメントは上期売上2,990億→通期予想6,680億(資料)と大幅拡大を想定。
- 特に後工程材料はAI向けで販売数量が増加(H1:後工程売上709億、前年同期比大幅増)。
- 高付加価値製品中心のためマージン拡大(セグメントのコア営業利益率は30%超の想定)。
ストレージ(HDメディア)と設備投資
- データセンター需要を受けHDメディアが堅調、追加投資約150億円を計画(資料トピック)。
- ハードディスク需要増に伴う関連部材・ソリューションの継続収益化。
- 設備投資でキャパ増強→供給対応と収益性向上が期待される。
ケミカル(グラファイト等)の構造改善とスピンオフ戦略
- グラファイト事業は販売数量回復と構造改革で赤字幅縮小(H1で赤字縮小)。
- クラサスケミカルのパーシャル・スピンオフ(2026年10月予定)によりグループの資本効率改善・資金回収効果が見込まれる。
- スピンオフ後の継続事業の収益率改善が会社全体のROIC押上げに寄与。
3. 今後3年の業績成長イメージ
基準値:2026年(継続事業)売上11,650億、コア営業利益1,960億。ベースケースでは半導体関連の高成長継続で売上CAGR約8–12%(2026→2028で約1.25–1.38倍、2028売上約1.3兆〜1.6兆円)、コア営業利益はマージン改善でCAGR15–25%想定(2028で約2,600–3,050億)。上振れ要因はAI需要の加速・HDD回復、下振れは半導体市況悪化やスピンオフの会計影響。
4. 課題・リスク
- 半導体・ストレージはサイクル性が高く、AI投資の一服やメモリ市況悪化で需要急減の可能性。
- クラサスケミカルのスピンオフ実行と会計処理(非継続事業扱い、連結除外)に伴う一時的なP/Lやバランスシート変動リスク。
- ナフサ等原材料価格・為替変動が原価・在庫評価に直結。退職給付制度改定等の一時費用や減損リスクも注意点。
- 競合・代替材料の技術進展で市場シェアを奪われるリスク。
5. 総括
レゾナックはAI需要に支えられた半導体・電子材料中心の高収益化フェーズへ移行しており、スピンオフで資本効率改善が期待される。だが半導体サイクル、資源市況、スピンオフ実行の不確実性が短中期の変動要因となるため、投資判断は需給動向と四半期ごとのセグメント実績、スピンオフの会計影響を注視することが重要。