1. 成長期待のポイント
北陸電力は需給・卸売販売の増加や再エネ買取の卸売流通拡大が追い風。一方で燃料費のタイムラグや火力停止、原子力稼働停止が利益変動を大きくするため、短期的には業績は不安定、3年での着実な成長は条件次第。
2. 成長ドライバー別の分析
卸販売(卸電力取引所向け)拡大
- Q1(2026/4-6)で卸販売電力量は26.59億kWh(前年同期比114.9%)と大幅増。卸販売増は売上に直結。
- 再生可能エネルギーの買取増に伴う市場販売が継続すれば収益源拡大につながる。
- ただし卸取引のマージンは変動しやすく、価格環境次第で利益寄与は上下する。
発電供給力と設備投資(供給安定化による営業基盤)
- 固定資産・建設仮勘定が増加(Q1で建設仮勘定は230,395百万円へ上昇)しており、設備更新・増強投資が進行中。
- 水力や火力の稼働調整で供給は安定化しているが、七尾大田火力2号機の停止や志賀原子力1・2号機の未稼働が利益に影響。
- 主要設備の復旧や原子力再稼働が実現すれば燃料費削減・発電ミックス改善で利益率回復余地。
燃料費調整・政策支援(収益性の変動要因)
- 燃料費調整(燃調)のタイムラグ差がQ1で利益圧迫要因となったため、燃料価格や調整制度が業績を左右。
- 政府の電気・ガス料金支援補助金はQ1で約1,381百万円計上されており、一時的な収益安定要素。
- LNG/石炭/原油の国際価格想定(同社前提:原油100$/bbl、石炭150$/t、LNG700$/t 等)次第で短期業績のボラティリティ大。
3. 今後3年の業績成長イメージ
直近実績と会社予想を基にすると、2026年3月期実績は営業収益約786,552百万円、営業利益87,459百万円。会社の2027年3月期予想は売上760,000百万円・営業利益40,000百万円(大幅減益)。したがって短期は燃料費・設備停止の影響で利益面は大きく変動。原子力再稼働や火力復旧、卸売価格改善があれば翌年以降に利幅回復し、売上は横ばい〜やや減のレンジで推移する想定。
4.課題・リスク
- 燃料費の高止まりと燃調タイムラグによる利益圧迫(タイミングで数十億円規模の影響)。
- 主要火力の停止や原子力設備の非稼働による発電コスト増と供給制約。
- 再編・持分法適用等による連結範囲変化(例:北陸電気工事の持分法適用化)が売上構成に影響。
- 電力市場価格の変動、再エネの出力変動、政策変更(補助金縮小等)が収益に直結。
5. 総括
短期(1〜2年)は燃料価格・設備稼働状況・燃調の影響で利益の上下が大きく、会社予想通り2027年度は減益見通し。中期(3年)は原子力・火力の復旧と卸売・再エネ関連販売の安定化が実現すれば利益回復が期待されるが、実現は不確実性が高く投資判断は設備稼働・燃料価格動向を注視する必要あり。