1. 成長期待のポイント
分譲マンションを中心に、中古買取再販・仲介、エネルギー高圧一括受電、施設運営等で収益の複線化を進める。会社予想(2027年6月期 売上1450億円、経常70億円)を踏まえ、今後3年は年率売上4–6%程度、営業増益基調が期待される。
2. 成長ドライバー別の分析
分譲マンション事業の安定収益化と高付加価値商品
- 2026年6月期売上全社138,877百万円のうち不動産関連は103,511百万円(前期比+12.1%)。主力事業の規模が大きく収益基盤を下支え。
- 既契約戸数(翌期以降売上計上予定)の確保は1,470戸、未契約完成在庫は極めて限定的で販売在庫リスクは相対的に低い。
- オンライン販売のハイブリッド化や厳選エリアの用地選定で価格転嫁可能な高付加価値商品の比率を高め、粗利改善余地がある。
エネルギー事業と中古買取再販など反復収益の拡大
- エネルギー関連売上は9,576百万円(同+17.3%)、営業利益は815百万円に回復(前期は赤字)。高圧一括受電で契約952棟62,025戸にサービス提供。
- 中古マンション買取再販は保有戸数1,117戸(微減)で在庫運用から売却までの利ザヤ創出モデルを継続。仲介・AM(アセットマネジメント)でストック型収益を強化。
- 施設運営(ホテル等)や介護事業も訪日需要や介護報酬改定見据えた付加価値化で安定収益化が進む。
海外展開・M&A・新規事業でポートフォリオ拡充
- 東南アジアで地域密着モデルの確立、米国等新市場での基盤構築を掲げる。小規模M&Aで人材(あなぶきグローバルキャリア等)や再エネ・物流・観光分野に投資。
- 2026年に関連子会社の連結範囲を変更(新規連結2社等)、今後も戦略的M&Aで成長の加速余地あり。
- 為替差益(FY2026で約455百万円計上)など一時要因もあるが、海外・新規事業の成功が中期上振れ要因。
3. 今後3年の業績成長イメージ
会社予想(2027年6月期:売上145,000百万円、営業7,700百万円)をベースに、コア事業の堅調維持+エネルギー・中古在庫の収益化で売上年率4–6%、営業利益は3–7%程度のCAGRを想定。営業利益率は現状約5%前後から、エネルギー等の寄与で若干改善する見込み。M&Aや海外が奏功すれば上振れ、着地は案件の引渡・販売タイミングに左右される。
4. 課題・リスク
- 住宅ローン金利上昇や地価・建築資材・人件費高止まりで分譲販売の需要・マージン悪化リスク。
- 用地取得競争や施工遅延はプロジェクト収益とスケジュールに直接影響。FY2026は棚卸資産増で営業CFが▲4,537百万円と悪化しており、在庫増加が続くと資金繰り負担。
- 海外展開・M&Aの実行リスク、為替変動(FY2026で利益に影響)や労働力確保(人材・介護領域)の課題。観光・ホテルは外部ショック(インバウンド変動)に敏感。
5. 総括
地域密着の分譲とストック化(買取再販・エネルギー・施設運営)で堅実な増収軸を持つ。短期は販売・引渡タイミングと資金繰りに注意が必要だが、ポートフォリオ多様化が進めば中期的に安定的な増益が期待される。配当は継続(2026年度78円、2027予想80円)で安定志向の投資先。