1. 成長期待のポイント
中期経営計画2028で売上を692.7億円(2025実績)→850億円(2028目標、CAGR約7%)、経常利益は約11.5億円→32億円(CAGR約38%)を掲げる。在庫適正化による分譲利益回復+請負比率拡大(中期目標:請負型比率を段階的に引上げ、最終30%目標)で3年間は増収・利益拡大が期待される。
2. 成長ドライバー別の分析
在庫適正化と分譲事業の利益回復
- 量的・質的な在庫入替を実行し、建売中心から宅地・規格型注文住宅等へプロダクトミックスを改善。上期は既に利益率改善を確認(売上総利益率上昇)。
- 下期に建売の完成ピークを迎えることで売上の上振れ期待(2026通期計画は720億円)。
- 価格設定を適正化し値引き影響を払拭、原価圧縮と商品設計でマージン回復を図る。
請負型事業の拡大(BizFill/規格型注文住宅)
- BizFill Systemによる木造集合住宅や規格型注文住宅の請負拡大で、分譲依存度を低下。経営計画では請負比率を段階的に引上げ、将来的に請負型比率30%を目指す。
- 請負は地域展開(首都圏・中部で先行、関西・九州へ横展開)によりスケール化が期待され、下期以降の安定収益化が見込まれる。
- グループの組織再編(4商圏体制)と人財投資で請負受注〜施工〜回収のサイクルを強化。
不動産流通・高付加価値物件と新市場(海外含む)
- 不動産流通は富裕層向け高額物件や中古流通の育成で収益基盤に。2025期は特殊高額物件が寄与した反動に注意するが、回転率高い物件中心へシフト。
- マンション事業は好立地で利益水準を確保。開発案件(複数物件)で継続的な売上基盤を構築。
- 海外展開(Avantia USA、米国タウンハウス案件等)で新たな成長軸を模索。中期で収益化を目指すが着地時期には幅あり。
3. 今後3年の業績成長イメージ
2026(会社見通し):売上約720億円、経常利益約16億円を見込み、上期の在庫改善と下期の完成ピークで通期達成を目指す。2025→2028の計画は売上692.7億→850億(CAGR約7%)、経常利益11.5億→32億(CAGR約38%)と高い利益成長を志向。初年度は在庫回転と建売完成のタイミングで増収、2〜3年目は請負比率拡大と流通・マンションの安定収益で収益性が加速する想定。
4. 課題・リスク
- マクロ依存:住宅市場は物件価格高止まり・ローン金利上昇で需要不透明。実需回復が遅れると分譲中心の収益シナリオが崩れる。
- 需要タイミング/在庫リスク:完成引渡しのタイミングに売れ残りが発生すると利益計上が後ろ倒し。棚卸資産の評価下落リスク。
- コスト・資金面:建築資材・労務費高騰や有利子負債の利払負担。又、子会社売却(巨勢工務店譲渡)などグループ構成変化で施工力に一時影響。
- 海外・新規事業の実行リスク:米国案件やBizFillの収益化時期が遅れる可能性。営業・施工体制の整備が前提。
5. 総括
在庫適正化の効果と請負型事業拡大を軸に、売上CAGR約7%、経常利益は高成長(年率数十%)を目指す成長計画は整っている。ただし国内住宅市況・工事コスト・在庫タイミングが短中期の実現を左右するため、進捗の四半期ごとの確認が投資判断の鍵となる。