1. 成長期待のポイント
清水銀行は第29次中期経営計画で「ROE5%以上」「当期純利益40億円(最終年度)」を掲げ、FY2026連結当期純利益20億円から3年で40億円を目標(年平均約26%成長想定)。ソリューション営業強化・人的資本投資・資本効率改善が成長の主軸。
2. 成長ドライバー別の分析
ソリューション営業(法人・個人一体の預金戦略)
- 法人・個人を一体化した複合取引拡大で粘着性の高い預金獲得を目指す(給与振込・決済獲得等)。
- 事業承継支援、ビジネスマッチング、GX/DX支援を通じて貸出・手数料収益を増加させる(事業改善支援実行件数等のKPI設定)。
- SBIグループ連携(清水銀行SBIマネープラザ等)により資産運用・富裕層向け商品で手数料収入拡大を狙う。
人的資本投資・生産性向上
- 行員のリスキリング、専門人材育成、本部・営業店の業務改革で営業力と生産性を向上(研修回数や資格取得者など定量KPIあり)。
- シニア戦力化や採用多様化で人員の安定確保と戦略的再配置(計画期間で再配置・増員を実施)。
- AI・業務効率化による作業削減でコスト比改善を図り、営業利益率向上を実現。
経営基盤強化(資本効率・市場運用・サステナビリティ)
- 資本効率重視の運用でRORA/ROE向上を目指す。連結自己資本比率8.5%以上を目標に安全性も確保。
- 有価証券ポートフォリオを機動的に見直し、政策保有株縮減(2030年までに簿価で約20%削減目標)で資本効率改善。
- 気候対応・地域共創(所有林の活用、GHG削減)でサステナブル投融資や地域案件を拡大し新たな収益源に。
3. 今後3年の業績成長イメージ
FY2026の連結当期純利益20億円を起点に、FY2027予想は約25億円、最終年度FY2029に40億円目標という計画は年平均約26%の純利益CAGRを示す。収益面は預貸利ザヤ改善とソリューション営業による手数料増、コスト削減・生産性向上で利益率改善、ただし有価証券含み損の管理や調整が短中期の業績変動要因となる想定。
4. 課題・リスク
- 金利・市場リスク:金利変動で保有有価証券の含み損拡大や国債売却損が発生し得る。資金調達コスト上昇は利ザヤ圧迫要因。
- 実行リスク:人的資本投資・DX・営業体制改革が計画通り成果を出せない場合、成長シナリオが後退する可能性。
- 地域構造リスク:静岡県の人口減少・高齢化は中長期の預貸基盤に下押し圧力。地域集中の収益依存は多様化の必要性を高める。
- アライアンス依存:SBI等外部連携の成果が限定的だと手数料拡大シナリオが鈍化する恐れ。
5. 総括
清水銀行は「ソリューション営業×人的資本×資本効率改善」で短期的に高い純利益成長(最終年度で約40億円)を目標にしており、達成時の純利益CAGRは約26%と高い。ただし市場リスクと計画実行の両面が鍵で、投資家はROE・純利益推移、有価証券評価損・貸出/預金の推移、SBI連携の手数料寄与をモニタリングすべき。