1. 成長期待のポイント
SUBARUは電動化投資による生産体制転換と航空宇宙事業の伸長で中期成長余地あり。ただし追加関税・生産制約・R&D増で短期の利益率回復は限定的。
2. 成長ドライバー別の分析
電動化・生産体制転換
- 国内でのバッテリーEV自社生産に向けた工事により生産調整が発生(第3Q累計で国内生産39.9万台、前年比▲13.3%)。
- 有形固定資産は921億円増加と設備投資を積極化、今後のBEV量産対応力が向上する見込み。
- R&D費は第3Q累計で1,150億円超(115,080百万円)に拡大し、EV・ソフト・自動運転の技術競争力強化に投資。
価格構成改善と資本政策
- 販売奨励金抑制と価格構成改善で売上減を抑制(第3Q売上高3,518,961百万円、▲0.5%)。
- 自己株式取得・消却を実施(15,722,200株を消却、発行済株式数を引き下げ)、EPS支援効果。
- 配当は通期合計115円(中間57円、期末予想58円)を維持し、株主還元を継続。
市場・事業ポートフォリオ(航空宇宙含む)と為替影響
- 航空宇宙事業は拡大基調(第3Q売上95,956百万円、+26.0%)で多角化が進行。
- 通期業績前提はUSD/JPY=150円(為替感応度が大きく、円安は利益を支援)。
- 米国の追加関税拡大が利益を圧迫しており、貿易政策が業績の短期不確実性。
3. 今後3年の業績成長イメージ
直近予想は通期売上4,800,000百万円、営業利益130,000百万円(2026/3期)。BEV量産開始と設備投資の立ち上がりで売上は年率数%台の緩やかな成長が見込まれる一方、関税影響やR&D・固定費増の解消次第で営業利益は数年で段階的に回復。為替次第で業績振幅が大きい(短期は利益低下からの回復シナリオ)。
4.課題・リスク
- 米国の追加関税や貿易摩擦の長期化でマージンが低下するリスク。
- BEV生産への移管に伴う一時的な生産減・供給制約で販売機会損失。
- 研究開発・設備投資の先行負担拡大により短期での利益率回復が遅れる可能性。為替(USD/JPY)の変動も業績へ大きく影響。
5. 総括
設備投資とR&Dで中期的な競争力強化の道筋は描けるが、追加関税・生産制約・為替が短期業績の鍵。投資判断はBEV量産の立ち上がり状況と関税・為替の見通しを注視して行うのが妥当。