1. 成長期待のポイント
経営計画では2027期の売上を801.8億→865.0億(+7.9%)と回復見込み。自動車向けパワーモジュール拡販、データセンター/産機用途の拡大、GaN等技術と生産提携で中期的に緩やかな増収回復を期待。
2. 成長ドライバー別の分析
自動車向け(パワーモジュール/電動化周辺)
- 世界OEM生産(CY26)予測約92M台で、HEV/ICE向け需要は堅調。空調向けIPMやEV補機・トラクション向けモジュールが拡販源。
- EVトラクションモータ用パワーモジュールを複数Tier1へ提案・拡販中で中期受注増が期待。
- 韓国・欧米・インド向けのFAE支援強化でデザインインを進め、売上安定化を図る。
産機・データセンター・白物家電の用途拡大
- データセンターのチラー冷却ポンプや業務用空調・ECファン向けに高耐圧IPMや1200Vモジュールを応用展開。
- 白物家電は中国でシェア低下したが、韓国顧客での置換やアジア市場拡大で挽回を目指す(アジア戦略室設置)。
- 産機分野の採用が進めば下期以降の収益回復とボリューム拡大に寄与。
技術・生産体制とコスト改善
- GaN開発を加速する買収(Powdec)や、後工程での生産協業(ミネベア)で製品競争力向上を狙う。
- 金→銅材料置換や固定費削減、生産再編で変動費と固定費を同時に改善。
- 投資姿勢:2026年度は設備投資約62.9億、研究開発費約54.0億(いずれも百万円ベース)で技術投資を継続。
- 為替感応度:1円変動で売上約3億円、営業利益約1.5億円の影響。
3. 今後3年の業績成長イメージ
2027期は会社計画で売上865億(+7.9%)へ回復、上期は生産調整で赤字だが下期で挽回見込み。今後3年は自動車向けモジュール拡販と産機・データセンターの採用、GaN等の新技術製品化で年平均概ね4–8%程度の売上CAGR、営業利益率は赤字から低〜中位シングル%へ改善するシナリオが現実的。
4. 課題・リスク
- 中国白物市場での自国化に伴うシェア低下の長期化は成長鈍化リスク。
- 金属・素材価格高止まりや部材調達難がマージンを圧迫する可能性。
- 為替(円高)やEV市場の不確実性(BEV調整局面)が需要や価格交渉に影響。
- 技術M&A・提携の統合実行リスク、主要顧客依存・受注集中リスク、特別退職金等の一時費用も業績変動要因。
5. 総括
技術投資と生産連携で中期回復シナリオは描けるが、中国市場の動向・原料価格・為替が成否を左右。短期はボラティリティ高く、中長期的に「受注拡大+コスト低減」が実行できれば着実な回復が期待される。