1. 成長期待のポイント
研磨材(半導体向けCMP等)と化学工業品への投資集中、2026–28年で設備投資350億円などの成長投資により、売上は年率約9%程度、営業利益は年率10%超の高成長が期待される。
2. 成長ドライバー別の分析
研磨材事業(半導体向けの需要拡大)
- 生成AIやクラウド投資で先端ロジック・高帯域メモリ向け需要が拡大し、CMP用途が好調。
- 会社の中期目標では研磨材売上214→290→335億(25→28→30年)で、25→28年のCAGRは約10.7%。
- 直近Q1でも研磨材は前年同期比+24%(6,499百万円)と高成長を示している。
化学工業品事業(キャパ増と高付加価値シフト)
- 機能性材料・医薬・農薬中間体など受託製造が安定して拡大。電子材料市場の拡大追随で需要基盤が強い。
- 2026年4月稼働の第5プラントで生産能力が増強され、Q1は前年同期比+26%(4,582百万円)。
- 高稼働維持と価格転嫁で収益性向上が期待される。
中期経営計画「進化26-30」と資本配分
- 26–28年で設備投資累計350億円(研磨材中心)、M&A上限50億円。前半3年で営業利益100億円早期達成を目標。
- 2030年目標:売上650億円、営業利益130億円。2028年目標は売上590億円、営業利益110億円(会社資料の数値)。
- 配当方針強化(配当性向目標40%)とROIC/ROE改善で投資家還元と成長投資の両立を図る。
3. 今後3年の業績成長イメージ
短期的にはFY2027計画で売上549億円・営業利益99億円と大幅回復を見込む(Q1実績も良好)。中期計画に沿えば2026→2028の3年で売上は年率約9%程度(454億→590億の想定)、営業利益は年率約13%前後での伸長が想定される。研磨材の高成長が全体牽引、化学工業品が安定成長で寄与。
4. 課題・リスク
中東情勢等による原材料価格高騰や供給制約はコスト増要因(既に価格転嫁を実施中)。半導体市場の景気循環性、設備投資の実行リスク・投資回収の遅れ、M&Aの失敗、生活衣料事業の低迷や為替変動も利益成長の抑制要因となる。大型投資に伴う財務負担と資金繰り管理も注視が必要。
5. 総括
研磨材(AI向け先端半導体)と化学工業品への集中投資で高成長シナリオが描ける一方、原料価格・半導体サイクル・投資実行力が成否の鍵。中期計画の進捗確認が投資判断のポイント。