1. 成長期待のポイント
デジタル配信とPPP(公民連携)/施設運営を軸に非紙面収益が拡大。直近(2026年度)は売上+8.4%、営業増益+28%で過去最高、会社見通しは2027年度売上+5.3%。中期はデジタル・プロモーションで年率約5%前後の緩やかな成長が見込まれる。
2. 成長ドライバー別の分析
デジタル事業の拡大(Web・LINE・メール・JichiCa)
- 「Web版タウンニュース」「タウンニュース for LINE」「メール版」等の登録者増で広告・配信収入拡大が進行。
- 2026年4月に自治会向けのまちづくり応援サイト「JichiCa」を開設し、地域デジタルサービスの収益化を開始。
- デジタル編集室設置や記事配信強化でWeb広告・有料サービス拡大の余地があり、収益率は紙媒体より高い可能性。
PPP・指定管理やイベント運営業務の拡大
- 秦野市文化会館、小田原市民ホール、茅ヶ崎の体験学習センターなど指定管理で安定収入を獲得。
- 大規模イベント運営や自治体プロポーザルの受注実績が増え、非紙面の売上牽引に寄与(直近期は非紙面が全体を牽引)。
- 施設運営は継続収入かつ付帯プロモーションや物販と連動し、LTV向上が期待される。
紙媒体の高付加価値化と多様商品の展開
- 「こどもタウンニュース」「特別号」「求人・防災特集」などテーマ特化で顧客接点を維持・深化。
- 記念誌・自費出版・各種グッズ・ホームページ制作等の受託ビジネスで単価向上。
- 発行版再編や発行部数見直しによりコスト最適化を図りつつ、地域密着価値で競合差別化。
3. 今後3年の業績成長イメージ
会社見通しは2027年度売上4,200百万円(+5.3%)。現状の成長ドライバーが順調なら、今後3年間の売上CAGRは概ね3–7%程度が想定される。5%成長を仮定すると3年後売上は約4,625百万円、営業利益はマージン安定で約680百万円程度まで拡大するシナリオが現実的。
4.課題・リスク
- 地域人口減や新聞購読減が長期的に紙媒体収入を圧迫するリスク。
- デジタル変革や新規サービスの収益化が想定より遅れると成長鈍化。
- 大型PPP案件の受注変動、イベント中止や施設利用低迷による収入変動の可能性。
- 人件費・印刷・外注費上昇や投資(有価証券取得・無形資産導入)によるキャッシュ圧迫リスク。
5. 総括
地域密着の強みを生かし、デジタル化とPPP・非紙面サービスで収益構造を転換中。短期の増益基調を維持しつつ、今後3年は年率概ね3–7%の安定成長を期待できるが、紙媒体の構造変化と新規事業の収益化遅延が成長の鍵となる。